甲状腺疾患

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)、甲状腺腫瘍などの疾患に対応しております。

バセドウ病

甲状腺機能亢進症・バセドウ病の症状

血液中の甲状腺ホルモンが過剰になると、全身の新陳代謝が盛んになり、また自律神経のひとつである交感神経の働きが異常に活性化されます。その結果、発熱、過剰な発汗、暑がり、精神症状(イライラ)、手の震え、動悸、食欲増加、体重減少、下痢、月経異常などの症状が現れます。また眼球が出てきたり、まぶたがつり上がったりする症状が現れることもあります。高齢の患者さんでは心房細動といった不整脈から心不全に至ることもあります。

なかでも甲状腺腫大、眼球突出、頻脈は多くみられメルセブルク3徴と呼ばれます。甲状腺腫大は90%以上に見られ、甲状腺全体が柔らかく腫れて大きくなります。眼球突出は30~40%程度にみられます。バセドウ病の特異的抗体によって球後軟部組織に炎症がおきると組織の容積が増加し骨で囲まれていない前方に眼が押し出されます。また眼球突出がなくとも複視や視力低下、上眼瞼後退・浮腫など多彩な症状がみられます。軽症の場合は経過観察となりますが、症状が出る場合などはMRIで評価の上治療を行います。甲状腺眼症で精査加療が必要な場合はオリンピア眼科病院など甲状腺眼症専門病院にご紹介をしております。

バセドウ病の症状
絵1バセドウ病の症状(日本内分泌学会ホームページより

バセドウ病を疑う症状がある、バセドウ病の治療をしたい方はご相談ください。

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橋本病/甲状腺機能低下症

橋本病/甲状腺機能低下症の症状

易疲労感と記憶力低下、嗄声、寒がり、便秘、食欲不振、体重増加、むくみ、関節痛、徐脈などの症状が現れます。

また粘液水腫といい皮膚線維芽細胞で産生されるヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などの物質が皮下組織に沈着するため手足にむくみがでます。瞼にむくみがでることがあります。また舌や唇が浮腫状になる粘液水腫様顔貌がみられることもあります。脱毛や眉毛外側3分の1が薄いなどの特徴も挙げられます。

血液検査ではコレステロールや中性脂肪の上昇、AST,CKの上昇や貧血などがみられることがあります。

橋本病/甲状腺機能低下症の症状
橋本病/甲状腺機能低下症の症状(日本内分泌学会より)

橋本病では今甲状腺機能が正常である場合も、甲状腺炎をおこし一時的に甲状腺機能亢進症をおこす、甲状腺機能低下症に移行することもあり、定期的な血液検査やエコー検査のフォローアップが必要です。

橋本病・甲状腺機能低下症を疑う症状がある方、治療や経過観察を希望される方はご相談ください。

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不妊症

甲状腺ホルモンは妊娠成立過程において卵子の成熟や排卵,着床,胎盤形成にかかわるとされており,甲状腺機能異常と不妊は関連していると言われています。妊娠中の甲状腺機能低下症は妊娠高血圧症候群,胎盤早期剥離,流産,早産,死産,低出生体重児,児の精神神経発達障害などと関連があると言われています。体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を行う場合、TSH>2.5μU/mlの患者さんはT4製剤の補充を行うべきとされています。また上記のような生殖補助医療を行う場合以外においても、潜在性甲状腺機能低下症の患者さんでは補充は検討されるとされております。実際には患者さんお一人お一人の状況を踏まえてご相談し治療方法を決定いたします。